シュテファン・ラップ

ティンパ二&打楽器

ティンパニは、曲中たいていは添え物として演奏される楽器。通常はメインの演奏のバックを飾るものと見なされるが、ラップの手にかかれば一つひとつの音が堂々たるソロパートの様相を帯びる。
その技を身に付けたのはフライブルクで、そしてさらにぺーター・ザードロ、デヴィッド・サーシー、中村功、スティーヴン・シックなど、著名な打楽器奏者、ティンパニ奏者によるマスタークラスを通してであった。

ティンパニ奏者となってからは、クラウディオ・アバド、レナード・バーンスタイン、ダニエル・ハーディングといった指揮者と共演。また、アンサンブル・モデルンとのコラボレーションはとりわけ素晴らしい経験となった。
コペンハーゲンの王立歌劇場でのごく短期間の活動を経て、1996年にドイツ・カンマーフィルハーモニーのティンパニ奏者となる。1997年から2004年にかけては、ブレーメン芸術大学でパーカッションクラスを受け持った。

ティンパニ以外の各種打楽器にも同様に情熱を注ぐ彼は、1997年、マルクス・リンケおよびスラヴィック・スターホフとともに打楽器アンサンブル「ANTARES – The German Percussion Collective」を結成。その一員としてクラシックの打楽器作品だけでなく、とりわけ実験的な楽曲の演奏にも取り組んでいる。

また、数年にわたり、カンマーフィルハーモニーとの共同プロデュースにより、コンサートシリーズ「Back to the Roots」を実施。他の楽団員や外部のゲスト奏者らとともにブレーメン市内のさまざまな会場を巡り、音楽と他の芸術を融合した彼ならではのステージを展開した。

趣味でもバンドでベースを担当したり自宅でギターを嗜んだりと、余暇の大半を音楽に費やしている。 フリースタイルや即興など幅広い様式に親しむことを重視し、それらを自らの音楽に採り入れる試みに余念がない。 その傍ら、息子とともに過ごす充実した時間を通じて、世界を見つめる新たな視点を得てもいる。

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