5ゼクンデ・モデル
「高パフォーマンスDNA」を探して
スポーツ、経済、政治あるいは文化―どの分野であれ、高パフォーマンスを誇る集団はいずれも、複数の具体的な成功要因によって単に「良い」チームとは明確に相違している。では、実際にトップ・チームとは他とどこがどう違うのだろうか。
ドイツ・カンマーフィルの芸術的、経済的成功に至るまでの異色のアプローチが、ザールラント大学経営学教授のクリスティアン・ショルツ博士との共同研究の出発点となった。楽団が、如何にして毎回異なる条件下においても、一貫してトップレベルのパフォーマンスを実現し続けているのかを共同で分析。その結果を基に、高パフォーマンス達成の鍵が、初めて一般的に適用可能な原則として特定、詳述されることとなった。
成功の秘訣は、絶えず調和状態を維持することではなく、不協和や衝突が生む緊張状態と敢えて向き合うこと。この認識に基づき、高パフォーマンス集団のために開発・考案されたトレーニング法が、これまでビジネス界・産業界の企業幹部多数の利用が相次ぐ「5ゼクンデ・モデル」である。ワークショップ参加者は、自らがオーケストラの指揮台に立ったり、言葉を発せずに効果的な意思伝達を試みるなどして、トップ・パフォーマンスとはどのように機能し、何をもってそう呼べるのか、身をもって体験する。