ダニエル・セペック

ヴァイオリン/コンサートマスター

フランクフルト生まれのセペックは、同地でディーター・フォルホルツに、次いでウィーンでゲルハルト・シュルツに師事。シャーンドル・ヴェーグ、アルバン・ベルク弦楽四重奏団のマスタークラスも受講。Studienstiftung des Deutschen Volkes(ドイツ学術奨学財団)およびウィーンのアルバン・ベルク財団の奨学生であった。1993年からドイツ・カンマーフィルハーモニーのコンサートマスターを務める一方ソリストとしても活躍。カンマーフィルと共にヨハン・ゼバスティアン・バッハの作品、そしてアントニオ・ヴィヴァルディの「四季」の両CDを収録しており、その際には音楽監督を務めた。

ヨーロッパ室内管弦楽団(クラウディオ・アバドとのツアーなど)、カメラータ・アカデミカ・ザルツブルク、アンサンブル・オリオール・ベルリンには客演コンサートマスターとして度々招かれている。ソリストとしてもホグウッド指揮のアカデミー・オブ・エンシェント・ミュージック、ハーゼルベック指揮ウィーン・アカデミー合奏団、フィリップ・ヘレヴェッヘ指揮シャンゼリゼ管弦楽団などと共演。

表情豊かなバロック音楽の多様性にひかれ、次第にバロック・ヴァイオリンへの思い入れが強まる。以来、トーマス・ヘンゲルブロック率いる、古楽器演奏で知られるバルタザール=ノイマン・アンサンブルのコンサートマスターとしても頻繁に登場。ハインリヒ・ビーバーの「ロザリオのソナタ」のレコーディングによりドイツ・レコード批評家賞(Jahrespreis der Deutschen Schallplattenkritik)を授与された。

演奏家としてはこれまでただ一人、再発見されたベートーヴェン所有のヴァイオリンを使用、ピアニストのアンドレアス・シュタイアーとレコーディングを行った。さらに、アルカント・カルテットの一員としてモーツァルト、ブラームス、ドビュッシー、ラヴェル、バルトーク、デュティユーの弦楽四重奏曲、シューベルトの弦楽五重奏曲をレコーディング。

2010年9月から2014年7月までバーゼル音楽大学の教授を務めた後、2014年にリューベック音楽大学の招聘を受け、教授に就任。